「NPSをKPIとして使いたいけれど、どう設計すればいいかわからない」
そんなお悩みを持つマーケティング・CS担当者の方に向けて、NPS(ネット・プロモーター・スコア)をKPIとして活用する方法を解説します。目的設定からスコア目標の決め方、他のKPIとの組み合わせ方まで、実務に役立つポイントを網羅しました。
NPSとは?KPIとしての注目理由
NPSとは、「あなたはこの商品/サービスを他人にどの程度すすめたいと思いますか?」という質問に対する回答をもとに、顧客ロイヤルティを数値化する指標です。
CSAT(顧客満足度)やチャーン率では測れない「今後の行動意図」を可視化できるため、KPIとしての活用が広がっています。
NPSをKPI化するメリットと注意点
- 顧客ロイヤルティの定点観測ができる
- 定性コメントと連動し、改善施策に直結する
- 社内のCX(顧客体験)指標として浸透させやすい
ただし、スコアのみを追ってしまうと、「なぜ下がったのか」が見えなくなるリスクもあるため、コメント分析とセットで指標化することが重要です。
NPS KPIの正しい決め方【ステップ別に解説】
①NPS導入の目的を明確にする
「継続率向上のため」「新規顧客の紹介を増やすため」など、目的によって見るべきNPSの使い方は異なります。導入の背景を明確にしましょう。
②評価指標を「スコア+コメント」で設計する
単なる平均スコアではなく、以下のような複数指標のKPI化が有効です:
- NPSスコア(月次変化)
- プロモーター比率の推移
- 否定コメントに基づく改善件数
③目標値は過去データと業界平均を参照
いきなり「NPSを+30にする」などの目標はNG。
まずは自社の過去スコア推移と、同業界の平均値を参考に、実現可能かつ改善性のある目標を設定しましょう。
④測定頻度と対象セグメントを決める
「購入後1週間の顧客」「解約直後の顧客」「問い合わせ対応後」など、顧客接点ごとにセグメントを切って分析すると、スコアの精度が高まります。
他のKPIとの組み合わせ方(LTV・チャーン率など)
NPS単体ではなく、以下のようなKPIと組み合わせることで、経営判断に活用しやすくなります:
- チャーン率との相関分析(NPS低下 → 解約増加)
- LTVの高い顧客ほどNPSが高い傾向の把握
- プロモーターの紹介経由獲得数
NPS KPI設計のよくある失敗例と対処法
- 失敗例:スコアだけでKPI化してしまい、改善行動につながらない
- 対処法:コメント内容・改善件数などの定性KPIも設ける
- 失敗例:KPIが高すぎて社内のモチベーションが低下
- 対処法:達成可能な短期目標と長期目標を併用
すぐに使える!NPS KPI設計テンプレート
KPI項目 | 目標値 | 測定頻度 | 活用方法 |
---|---|---|---|
NPSスコア | +5(6ヶ月後) | 月次 | ロイヤルティ評価 |
プロモーター比率 | 60% | 月次 | 推奨行動の可視化 |
否定的コメント改善数 | 月3件 | 月次 | VOC活用状況 |
まとめ|NPSをKPIに組み込んで改善サイクルを回そう
NPSをKPIに組み込むことで、顧客の本音に基づいた継続的な改善が可能になります。ただし、単なるスコア管理ではなく、「コメントの活用」「他指標との連携」が鍵です。
この記事の内容をもとに、自社に合ったNPS KPI設計を始めてみましょう。
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